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狂い咲く花
第10章 一、猩々木 - 祝福
母様がいなくなると父様が苦しげに口を開こうとする。
「美弥…俺は…」
「父様。葉月に怒鳴ってくれてありがとう。その気持ちだけで十分だから…ありがとう」
一番辛いはずの美弥が無理して笑顔で話しかけていく。
「麻耶の事…叱らないであげてね。どんな経緯があったにしても、身籠っている事は真実だから…葉月がそんな麻耶をほっとけないと言うのなら…」
美弥の言葉を遮るようにして葉月が入ってくる。
悲痛な葉月の顔を見て美弥は優しく笑い返す。
そんな美弥の笑顔を見て言葉がでてこない。
何を言っても言い訳にしかならないことが分かっていたから。
「葉月…こっちを見て」
自分と目を合わせようとしない葉月に声を掛ける。
「ねぇ…見て?お願い」
全てを包み込むような優しい声音で語り掛けてくる美弥に自然と顔が上がる。
「葉月?麻耶を幸せにしてあげてね。」
「…」
「麻耶は私の大事な双子の妹よ。あの子が悲しむ顔は見たくないの。あなただったら麻耶を託せる。絶対に悲しませたりしないって分かっているから。」
誰もが黙って美弥の話を聞く。
「葉月…あなたの選択は間違っていないから…私が好きになったあなたはそういう選択をする人よ。」
「美弥…俺は…」
「父様。葉月に怒鳴ってくれてありがとう。その気持ちだけで十分だから…ありがとう」
一番辛いはずの美弥が無理して笑顔で話しかけていく。
「麻耶の事…叱らないであげてね。どんな経緯があったにしても、身籠っている事は真実だから…葉月がそんな麻耶をほっとけないと言うのなら…」
美弥の言葉を遮るようにして葉月が入ってくる。
悲痛な葉月の顔を見て美弥は優しく笑い返す。
そんな美弥の笑顔を見て言葉がでてこない。
何を言っても言い訳にしかならないことが分かっていたから。
「葉月…こっちを見て」
自分と目を合わせようとしない葉月に声を掛ける。
「ねぇ…見て?お願い」
全てを包み込むような優しい声音で語り掛けてくる美弥に自然と顔が上がる。
「葉月?麻耶を幸せにしてあげてね。」
「…」
「麻耶は私の大事な双子の妹よ。あの子が悲しむ顔は見たくないの。あなただったら麻耶を託せる。絶対に悲しませたりしないって分かっているから。」
誰もが黙って美弥の話を聞く。
「葉月…あなたの選択は間違っていないから…私が好きになったあなたはそういう選択をする人よ。」