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蜘蛛♠
第4章 アルバイト
リビングに坂本を連れ出す恭介。
「マジかぁ!!!!早く言えよ恭介~!!!俺入っちゃったじゃんもう~~~!!あ~~どうしよ!!あ~~もうっ!!ていうかぁ~!!!」
「いや、言う前に坂本さんが強引に入ってったんですよ。どうしたんすか今日は??」
恭平の質問を無視し坂本は鏡を取り出した。
そして乱れた前髪を丁寧に作り直した。
「ふぅぅぅ」
「いや、フゥゥじゃないっすよ!!何かあったんすか?まぁ、とりあえず座って下さいよ」
リビングの中央に置かれた大きなテーブル。
そして椅子が二つ。
言われた通り坂本はそこに腰掛けた。
いろいろな事が一気に起きすぎた。
まだ頭の中が混乱している。
「ちょっと待っててくださいね!」
言って恭介は寝室に入っていった。
坂本と恭介の付き合いはそこそこ長い。
15年前、バイト先で知り合いそこから意気投合し、今でも友情関係が続いている。
恭平は今でも坂本に対し敬語を使っているが、今更変えるのも変なので変える気はないようだ。
坂本は再び鏡を取り出し前髪を念入りにセットした。
すると後ろからドアの開く音が聞こえた。
先ほど坂本が開けてしまった寝室から恭介と女性が出てきた。
女性は恭介に肩を抱かれ、軽くうつむいている。
恭介との身長差があるせいか女性がとても小さく見えた。
女性と坂本は目が合った。
坂本は先ほどの件を謝罪しようと立ち上がる。
すると女性の方から話しかけてきた。
「あの~~、先ほどは大きな声を出してしまってごめんなさい!いきなし知らない男性がいて…つい……」
なんとできた女性か。
謝るべきは断然こっちの方だ。
「い……いや……あのぉ~、悪いの全然俺なんで……。すいませんほんとに……」
女性に謝らせてしまった事に対し坂本は不甲斐なさを感じた。
すると恭介。
「まぁまぁ、あっ、紹介しますね!彼女の架純です!!まだ付き合って3ヶ月ぐらいっす!」
「架純です。よろしくお願いします。」