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第11章 香港ｰ裏社会という場所

時間稼ぎをして、時間稼ぎに見せない、こんなのもテクニックなのよね、調教師と言っても私達は『魅せる調教師』お客様を飽きさせない事が重要。



(後数分‥‥かな？
その間にアナルからローションを流してヤらしく魅せる？
それとも耐える姿を魅せる？？)


‥‥二者選択‥‥


数分といっても、セッテング完了まで５分は掛かりそうなこの状況で、どちらが一番適しているだろう？


こんな時はお客様の反応‥‥
チラッと舞台下を見れば、欲に囚われる男女の顔‥‥という事は前者。



(‥‥‥‥‥えっ！？)


客席の最後列、そこに‥‥どうして居るのイン･ウードゥが？
無い事に少し動揺している私‥‥だってあの顔で客席に居られると間違えそうになる‥‥‥櫻澤さんに‥‥‥



(ダメっ！
考えちゃダメ！！
櫻澤さんだったら‥‥櫻澤さんだったら‥‥お客を見て動揺する私を叱る筈、だってあの人は主催だったのだから)


こんな私を見たら、櫻澤さんは絶対にショーの後のお小言決定、そんな私を見せたく無い‥‥例え櫻澤さんが居なくても。


だから私は調教者を見据える、私はあの頃の私じゃ無い、私は一人前の調教師‥
ショーは確実にこなさなくちゃいけないの。