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契約的束縛・誘惑なる秘密
第29章 歓喜の一夜

「仁科がな……。見た目は飄々としているが、中身はかなり熱いものを持ってる奴だ」
「……私より知っているみたい」
「美波ほどではないが、それなりには理解出来たな。本郷も宮野も同じく熱いものを持っている、だからこそ成長出来たんだろう。それは見なくても分かる」
櫻澤さんだから言える言葉。みんなをよく見ていた櫻澤さんだもの、こうして話をしただけで分かるんだね。
「全員の根本には、美波お前を守りたいという意思がある。男ってもんは、惚れた女を守りたいという意思があれば成長するからな」
「……私……」
「そうだ。本郷も宮野も、その意思があったからこそ成長したんだ。仁科はまた別の成長みたいだが」
「櫻澤さんも?」
「俺か? 俺は1年以上前の山口県で止まっているが、イン・ウードゥとしての経験は残る。彼奴らとは違い、大した事のない経験値だがな」
ウードゥさんとしての……。櫻澤さんとしては、あの拠点爆破で止まっているけれど、代わりにウードゥさんを通して経験した事。それはまた私達とは違う経験、ウードゥさんの経験。それも含めて今の櫻澤さんなんだ。
でもあれ? どうしてイン・ウードゥという名前だったの? 誰が付けたのか、どうしてその名なのか、私には分からない。
「……聞いても良い?」
「なんだ?」
「イン・ウードゥという名前は誰が付けたの?」
「それか、分からんか? 誰がまでは俺も知らんが、嫌味半分の名前だぞ?」
「??」

