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第30章 香港―明かされる秘密と選択

朝、目が覚めてみれば、部屋の隅の方に着替えが置いてあった。多分ルークが気を使ったとは思う。そして申し訳ない気持ちもいっぱいな私。
この騒ぎの前に、漸く心を開いてくれたルーク。それなのにこんな事になってしまい、私の方こそルークが心配になって来るでしょう。……我慢するルークだから。

「……着替え、２組？」

１つは私のだと分かる、みんなが居るマンションから持って来たで合ってると思うよ。でももう１つは……黒服一式、これって霧……うんん、櫻澤さんの為だよね？　着て……くれるの？

（と、取り敢えずシャワーくらい使わないと……）

昨日そのまま。その……櫻澤さんの残滓がまだ……。
慌ててシャワーに飛び込む私、一応鏡で確認したけれど、あの沢山の痣は綺麗に消えてしまっている。１つくらい残っても良かったのに……。私の躰は、それさえも許してくれない。

（ルークが来たとい事は、仁科さんも来たのかな？）

ルークは仁科さんに話すと言っていたもの、仁科さんが此所に来るのは当たり前。それに疑問の答えが欲しい。薄々は気付いているけれど、仁科さんから説明して欲しい。どうやって私でも記憶が見れなかったかも。

テキパキとシャワーを使い、置かれていた着替えに袖を通す。……普段着じゃなく、サザンクロスとしての黒服。調教師衣装ほど露出は高くないけれど、Cross sels(ｸﾛｽｼｰﾙｽﾞ)では普通ラインの露出度かな。
一緒に化粧道具も置いていたので、しっかりとサザンクロスを作った。