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契約的束縛・誘惑なる秘密
第30章 香港―明かされる秘密と選択
「??
何処が変わったんだ? 確か身体能力と言ったよな、あまり感じないが……」
「ルークも同じ事を言いましたね。試しにその辺を殴って見て下さいと言ったら、鉄塔でしたか? 派手にへこませた記憶があります」
「今更それを言いますかコンラート様、あれは言われた通りにやっただけで……」
自分の手を見詰めて不思議な顔をしている主宰と、少々過去話に渋い顔をしているルーク。意外に良いコンビだと思うのは私だけでしょうか?
「……主宰の事は暫くルークに頼みます。同じ仮眷属ですので、私があれこれ言うよりもルークの方が的確に教える事が出来ますしね」
「……櫻澤と……」
「……ルーク・ガルシアと……」
おや? 揃って渋い顔をしますが、相性が悪いですか?
「ガルシアは要らない。本郷も宮野もルークと呼ぶ」
「今は一緒に行動しているのか」
「櫻澤も含め教育係と言ったところ。ですが香港でというのは……」
「今のが一段落しましたら、一度ドイツに戻ろうかと……。次は主宰の分の身元を作らなくてはいけませんし、仮眷属のとなれば居城が最適でしょう」
「ドイツ……俺は初めてだ」
今の私達は、表向きドイツの外交官という立場で世界を歩いています。流石に主宰の分はありませんので、もう一度ドイツ政府と交渉し主宰の分を手配の準備。
そしてカイザーですが、あの手応えですと暫くは何も出来ないと私は踏んでいますので、ドイツで態勢を整えるのも1つの手、私はそう考えたまで。