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お前がすきでたまらない
第17章 このは。初めての体験
啓介さんの車に乗る時も後ろに乗っちゃったけど・・・
今まで助手席に座った事なんてなかったし、ましてや車に乗ってどこかへ行くなんて・・・
本当に久しぶりだった・・・
ショッピングモールも恥ずかしいけどほとんど初めてで・・・
服も在るものを着ていたし・・・
ましてやカバンや靴なんて・・・
正直、自分で選んだ事なんてなかった・・・



着るものや身に着けるものはママが用意してくれたものを着ていた
高級な物だったと思う
だって、綺麗なママはみすぼらしいのが嫌いだったから
ママは
「このは。少しでも外に出て人の目に触れられるなら綺麗にしてなさい」
「私の娘だと思われても恥ずかしくないようにね」
と・・・


だから、学校も有名な所に通わせてもらっていたし、端から見れば何不自由ないお嬢様に映っていたに違いないだろう


よく
「羨ましいわ」
と、言われた


私からしたらみんなの方が羨ましかった・・・


自由に買い物したり・・・
ご飯を食べに行ったり・・・
家族でどこかへ行ったり・・・
姉妹がいたり・・・
友達がいたり・・・
好きな人がいたり・・・



みんなにとって当たり前の事が、私には当たり前でなかったのだから・・・




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