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冷血な獣
第5章 お見合い大作戦2
ホテルのフロントで部屋を取ると、龍河さんと一緒に案内された部屋へ向かった。
緊張していたせいで、何階でエレベーターを降りたのか覚えていない。
だけどリビングの全面張りになった窓から前方に見える東京タワーの存在に気付くと、この部屋が物凄く高い場所にあることは分かった。
そのままリビングに立ち尽くし、ライトアップされた東京タワーと、ネオンが色とりどりに煌めく東京の街を眺めていると。
そんな私に、龍河さんがスーツのジャケットを脱ぎ、それをリビングのソファに掛けながら話した。
「どうしたんだ? 昨日は見合いについてこないと言っていた筈だが?」
「それは……すいません。やっぱり気になっちゃって……」
「俺が信用ならないか?」
冷たい態度で質問しながら、次にネクタイを緩めて。
そのまま解くと、またソファへ掛ける。
「そうじゃないです! ……本当にすいません。ただ私は自分に自信がないだけで……私よりもお見合い相手の方が良くなっちゃうんじゃないかと心配して……」
「自信?」
不思議そうに、龍河さんはチラッと私の方を見た。