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コーストライン
第4章 ココア
夜の漆黒海道デンジャラスドライブを満喫して、圭吾は家の駐車場に車を入れるため、叶和を先に玄関先に降ろした。
叶和が鍵を開け玄関に入り、上がろうとしたところ黒電話が鳴り出す。
ビクッと肩が跳ね、叶和の動きが止まる。
後ろから圭吾が近づいてくる気配を感じ、慌てて電話を取る。
「はい、吉田です」
『叶和か?無事に家に帰れたようで安心した』
電話口からは聞き慣れた声が、
「ちゃんと戻れました
心配かけました」
圭吾は叶和の邪魔をしないように車の鍵を電話が置かれている台に叶和がわかるように置く。
「ありがとう」
叶和は圭吾にお礼を言った。
『誰かといるのか?』
「弟が迎えに来てくれたの」
『そうか、また連絡する』
叶和の安否を確かめカレは電話を切り家に上がった。
「カレ?」
「うん、心配して電話くれたみたい」
「よかったね」
「うん
あ、今日はありがとう」
「どういたしまして
じゃあ、俺はレポートがあるから部屋に行くけど、なにかあったら言って」
「え、予定あったの」
「あ、気にしなくていいよ
期限までまだあるやつだから
それから、風呂入れたから追い焚きしたらすぐ入れるよ」
圭吾はキッチンで自分のコーヒーを入れ部屋に入っていった。
叶和も自分の部屋に行く前にバスルームにより張り湯の追い焚きスイッチを入れ、部屋に行き服を着替える。
悪いことしたかな
と思いつつ、今度ちゃんとお礼をしようと叶和は着替えを持って今日の労働の疲れを癒やすためにバスルームへと足を向けた。