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コーストライン
第6章 ga ra su da ma
水辺を渡る風に然程暑いとは感じないが、太陽の日差しが肌をジワジワと刺激する。
が、圭吾の向えにしゃがんで、お天道様に背を向けて、砂を黙々と叶和は掘り返している。
これって、あそこの松林から、細い枝と落ち葉を持ってきて枝で骨組みにしてその上に落ち葉で蓋をして砂をかければ、落し穴ができる。
などと、圭吾が考えるくらいの穴が叶和ので出来上がっていた。
カツン
流木の先が、硬いモノに当たった音がして、叶和は流木を小脇に置き、手で音のした場合を穴に身を乗り出して、手で掘り返していた。
指先の爪には、仕事で気障をきたさないようでも女らしさをだし、ベージュピンクのフレンチネイルが施されていた。
指に湿った砂が纏わりつくのも気にせず一心不乱に音のした場所を探る姿に、この人子供か!その女らしい指先とのギャップに圭吾は、俺ってもしかして男に見られてない?
昨夜の叶和の姿を思い出し、目の前の子供っぽい女を見て思う。
音がして程なくして叶和の砂まみれの掌には叶和がガラス玉と呼ぶ、キラキラしたイビツな玉が転がっていた。
身を乗り出していた体制から勢い良く身を起き上がるときに叶和の横に垂れ下がっていた長い髪の毛が、向かいしゃがみこんでいた圭吾の顔をウッド系の香りとともに掠めた。
目の前には、
キラキラした玉を自分の顔の前で翳し、
それを探し当てて
キラキラした子供のような純粋な笑顔。
圭吾は無性にこの女が欲しいと思った。
自分がこんな気持ちになることに戸惑いながら、欲しくてもこの人は俺を男として意識していないことも今までの叶和の態度からもわかっている。
先ずは、男としてどう意識させるか。。。
海辺に行き、ガラス玉と手を海水で洗い、ジーンズの腰で手をなすりつけながら拭く叶和を見ながら考える圭吾だった。