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第4章 出逢い

「君、ウチはどこ？」

「え？」

「いいから教えて。」

「………」

「早く！」

「豊中…」

勢いに押されて、思わず答えてしまった。

「電車だね。じゃウチのが近い。こっち！」

無理矢理腕を引っ張られる。

「ちょっと、何するんですか⁉︎離して！」

「黙って！ 心配しなくても友達の恋人を襲ったりしない。まずはその濡れた服と身体をなんとかしないと。身体が冷える。」

走ってきたタクシーに手を挙げて停め、ドアの開いた後部座席に私を座らせると、続いて幸村さんが乗ってきて、どこかの住所を告げる。
タクシーが、走り出した。

「え⁉︎ ちょっ…どこに行くんですか？」

「俺の家。とりあえず、風呂に入って。嫁さんの服があるからそれ着て帰りな。」

「…あ、け、結婚、してる、の…」

あ…どこかに拉致されるのかと思った…親切な人なのかしら…奥さんが居るなら、変なことは、されない、よね…