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初恋
第4章 赤い屋根のうえ
無事に帰れたことにどれほど自分が感激しているのかをひととおり言った後、彼女は赤い屋根の家へと駆けて行った。
赤い屋根は、想像していたような奇抜な赤ではなくって
周囲の家と比べても違和感のない、薄めの落ち着いた色だった。
彼女が気付かなければ見落としていたかもしれない。
……けど、もう、いい。
これで俺の役目は終わった。無事に終わったんだ。
やっとあの変な子から解放される。
……て、違ったな。送ってやると提案したのは俺のほうだったか。もう覚えてない。
どちらにせよ若干の寂しさがあった。
彼女と別れるのもそうだし
それに
また……役立たずの暇人に戻るしかない自分に、切なくなった。