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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬

一方、花屋の角を回り込んだ路地裏から、トーマスはずっと彼女を見ていた。
―彼女の名前はローズというのか。
或いは本名を短く縮めた愛称ということも考えられるが、それにしても〝ローズ〟というのは花のような彼女にはふさわしい。
だが、彼女は深紅の薔薇というイメージではない。やはり、清楚なイエローの薔薇だろう。
考えてみれば、互いにまだ名前も知らない。そんな女性にひとめで強く惹かれ、もう忘れられないほどになっている。
昨日、久しぶりに義母を訪ねた時、弟と対面した。二人だけになった時、彼は思い切って話を切り出してみたのだ。
―彼女の名前はローズというのか。
或いは本名を短く縮めた愛称ということも考えられるが、それにしても〝ローズ〟というのは花のような彼女にはふさわしい。
だが、彼女は深紅の薔薇というイメージではない。やはり、清楚なイエローの薔薇だろう。
考えてみれば、互いにまだ名前も知らない。そんな女性にひとめで強く惹かれ、もう忘れられないほどになっている。
昨日、久しぶりに義母を訪ねた時、弟と対面した。二人だけになった時、彼は思い切って話を切り出してみたのだ。

