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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
「トーマス」
ロザリナはトーマスの逞しい身体を力をこめて押しやり、その腕から逃れた。
「私たちの間で、そんなことは言わない約束だったでしょう。私たち、まだ、お互いを知り合っている途中なのに」
少し咎めるような口調になるのはこの場合、仕方ない。トーマスは少し哀しげな表情になった。
「そうだったね。ちゃんとお互いを理解し合えるまで、俺はお預けを喰らわされた犬のように待たされるんだった」