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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル

添えられたミントの小さな葉を銀のスプーンでいじっていると、トーマスが立ち上がった。何をするのかと見ていたら、グランドピアノの前に座った。
ふいに流れてきた調べに、ロザリナはハッとした。この曲は―。
「〝美女と野獣〟ね」
澄んだ音色が繊細な旋律を奏でてゆく。ロザリナはすぐにその魅惑の音の世界に引き込まれた。
トーマスがこんなにピアノが上手いなんて―それをいえば、ピアノを弾くことができるのさえ、知らなかった。いや、これは単に趣味という域をとっくに逸脱している。プロ並みの技術ではないだろうか。
ふいに流れてきた調べに、ロザリナはハッとした。この曲は―。
「〝美女と野獣〟ね」
澄んだ音色が繊細な旋律を奏でてゆく。ロザリナはすぐにその魅惑の音の世界に引き込まれた。
トーマスがこんなにピアノが上手いなんて―それをいえば、ピアノを弾くことができるのさえ、知らなかった。いや、これは単に趣味という域をとっくに逸脱している。プロ並みの技術ではないだろうか。

