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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第4章 真実の愛に気づく瞬間
 ふと、いつだったかトーマスが口にした科白がありありと耳奥で甦った。

―母が亡くなったと聞いたあの瞬間から、俺はずっと心を閉ざして生きてきた。誰も信じられなかった。でも、君なら信じられるような気がするんだ。



 何ということだろう。五月のある日、トーマスが大学に現れたことがあった。彼自身、王立大学の卒業生だし、視察で訪れた可能性もある。訪れた目的はともかく、彼とロザリナは図書館近くの広場でひととき愉しい時間を過ごした。
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