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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第4章 真実の愛に気づく瞬間
 すべてはもう遅い、遅すぎた。

 トーマスのように生まれながらの王族、皇太子であれば、ある程度は〝慣れ〟というものがある。報道に対する耐性とでもいえば良いのか。


一歩外に出れば、すぐにカメラを向けられるものだ―という意識というか心構えのようなものがあるから、たとえ外出しても薄い膜を鎧のように纏い、外部に対して防護壁を築く習慣が自然に身に備わっている。




 計算された笑みを浮かべ、鷹揚に頷きながら歩くのは常にカメラを意識しているからであり、そこに本来の自分の姿はない。
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