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キスをして
第1章 プロローグ
趣味は仕事だと言えてしまうくらい仕事ばかりして家でお酒を飲んで寝るのが日常だった。
商店街を抜けたロータリーにある少し古びたアパートが私の住処。
仕事を終え帰宅すると私がここに引っ越してきた頃からずっと空き家だった古民家に電気がついていた。
翌朝、出勤ついでに見やると小塚時計店の看板が出ていた。
壊れて直らない時計を出してみようと思った。
休日に時計を持って行くとカウンターの向こうで白い肌に真っ黒な緩くパーマが掛かった長めの髪を垂らしてルーペを着けて作業している男がいた。
私に気付くとふらっと立ち上がり近付いてくる。座って猫背になっていると分からないがすらっとした長身で手足も長かった。
「いらっしゃいませ」
そう言いながら男はにこやかに笑った。
とても綺麗な人だと思ったのを覚えている。
商店街を抜けたロータリーにある少し古びたアパートが私の住処。
仕事を終え帰宅すると私がここに引っ越してきた頃からずっと空き家だった古民家に電気がついていた。
翌朝、出勤ついでに見やると小塚時計店の看板が出ていた。
壊れて直らない時計を出してみようと思った。
休日に時計を持って行くとカウンターの向こうで白い肌に真っ黒な緩くパーマが掛かった長めの髪を垂らしてルーペを着けて作業している男がいた。
私に気付くとふらっと立ち上がり近付いてくる。座って猫背になっていると分からないがすらっとした長身で手足も長かった。
「いらっしゃいませ」
そう言いながら男はにこやかに笑った。
とても綺麗な人だと思ったのを覚えている。