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if…─もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
第1章 もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
「ちょっ…通し…て、ぇ…、…ぅぐッ!!」
─それは昼休みの購買前の廊下にできた人だかり。
曜日限定のお気に入りのパンを求めて、ごった返す人波に押しつぶされるも虚しく、今日も敗北に帰したアタシはイジけて廊下の片隅にしゃがみ込む。
と、なんだか周囲が突然ザワめきだして…
「あっれー、こんなところにカワイイ子発見♡」
次々とあがる女子の黄色い悲鳴と共に、頭の上からそんな声がした。
「どうしたの、そんな悲しそうな顔して」
「あ…先輩…」
…顔を上げれば、そこには見知った人影。
「もう…だから、そんな顔は似合わないってオレいつも言ってるよ?」
同じ目線の高さまでしゃがみ込み、頬杖をつきながら優しく頭をポンポンとしてくれる長い腕がそっと伸びてくる。
そして、
「ねぇ、もしかしてその顔の理由は"これ"?」
「へ…!?なん…」
差し出される思わぬサプライズに、向けられる優しくて爽やかな笑顔とか…
「ん?オレ、好きな子のことならなんでも知ってるの♪
…一緒に食べよ?」
どうしよう…
もう、お腹いっぱいです。