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王子様は、きらきら星の住人
第2章 十六歳の誕生日
教師がホームルームの終わりを告げると、学級委員の号令、そしてけたたましい女子たちの耳にさわるおしゃべりが教室を駆け巡る。
真由は、一番うしろの窓際の机に突っ伏したまま、顔をあげることもなく、周りが静かになるのをただ待っていた。
蝉の鳴き声までもがうるさい。
夏の終わりにセンチメンタルなんて感じない。
年々大きくなる胸の膨らみと、お尻まわりが、夏が来るたびに厄介にしか思えないのと同じように。
本当ならTシャツ一枚羽織ってハーフパンツを履くというラフな格好でいたいのに、この体形のせいなのか、母親が口癖のように叱って止める。
「男を誘うようないやらしい格好はよしなさい!」
と。
夏の制服だってセーラー服の下にシャツを一枚着なさい、だとか、腕をあげたときに袖口から脇や胸が見えてしまうから、気を付けなさいだとか。
ふつうの母親らしいことをろくにしないくせに、そういう心配ばかりしている。
でも、そんな風に毎日小言を言われるのも今日で最後だ。
今日は九月一日。真由の十六歳の誕生日。
今日をかぎりに、母と離れるのだから。

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