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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第63章 母性愛

「何でアニキがあの会社の社長がになってんだよ、おかしいだろ、どう考えても」
「それはお母さんがあなたのお兄さんが会社を継ぐという事を事前に言ってあるし、お母さんが急にいなくなったんだから、お兄さんが会社を継いで社長になるのは当然の事でしょ…」
何だろ、まだ何か隠してる事があるのか、亮輔は鴨志田の様子を見ながらもう一度聞いてみた。
「オフクロは何で急にいなくなったの?どう考えてもおかしいだろ、そして大学生のアニキが社長になるなんて、周りが納得しないだろ、違うか?」
母親や亮輔の前では優しい好青年を演じていたが、それもこれもあの会社を乗っ取る為の芝居だったのか。
「ホントに失踪の件は解らないのよ、何せ急にいなくなったから。で、話し合いを進めて、お兄さんが会社を継ぐ形で社長になったみたいだし」
「先生…他に何か隠してる事ない?あまりにも不自然だ。
もしかしたらアニキはあの会社を自分のものにしたいからオフクロを消したんじゃないかと思ってるんだけど」
「…そんなバカな事は出来ないでしょ!そんな事したらあっという間にお兄さんは逮捕されてあの会社は倒産してしまうわ」
「じゃあ、何でアニキが社長になって先生がアニキの秘書になってんだよ?おかしいだろ、先生、秘書なんてやったこと無いだろ?なのに何で先生が秘書になってんだよ?」
「…それは」
鴨志田は出来れば亮輔には正直に話したい。
だが、それを話したら、自分の身も危うくなってしまう。

