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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第127章 タイミングが悪いんだよ

「だ か ら!オレはキャバクラには興味ないの!わかった?」
オレはキャバ嬢ってのがキライだ。前にも言ったと思うが、男が酒飲んで隣で話し相手するだけだろ。それならよっぽど風俗嬢の方がマシだ。
どうもキャバ嬢って中途半端なポジションという感じがして、おまけに客を値踏みするかのような態度が気に入らない。
まぁ、あくまでもオレの勝手なイメージなのだが。
【今日は仕事の話じゃないの。古賀くんあれから全然連絡してくれないからこっちから電話したのよ】
何だ、その【こっちからかけてやったぞ】的な上から見下ろすような言い方は。
「何の話か知らんけど、寝る!話たけりゃ他の相手探せ」
オレはそのまま切って、あくびをしてまたベッドに入り、寝てしまった。
翌朝、スマホを見ると、あれから3回も電話してきやがった。
マナーモードにしてベッドの脇のじゅうたんに置いたから全く気づかなかった。
かけてくるタイミングが悪いんだ、この女は。
オレはそのままシカトして会社へと向かった。
今日もせっせと、段ボールにぎっしりと入った缶やペットボトルを車から取り出し、自販機に補充する。
いつの間にか時間は昼を過ぎて、オレはまたコンビニでおにぎりとカップラーメンを買い、車の中で食べていた。
するとまた、ナツからの着信だ。
こっちは飯食ってんのに、口の中をモゴモゴさせながら電話に出られるかっ、と思いまたもやシカトした。
ゆうべといい、今といい、ホントにタイミングの悪いヤツだ。
…でも、何だろう一体?オレはあの悲しみに満ちた目を思いだし、飯を食い終えた後にかけてみた。
【もしもし…】
「何だ、一体?何度も連絡して」
【いや、その大した用事じゃないんだけどぉ~】
この話し方、イラッとくる。
「用が無いならかけてくんな。それだけか?」
【い、いや違うのよ、あの少し時間とれないかな?】
「今か?」
【だって今は仕事中でしょ?】
「んじゃいつならいいんだよ?」
何だかイライラしてきた。
【夜にでもまた連絡するね。ゴメンね仕事中に】
そう言ってナツは電話を切った。
何なんだ一体?
何か重要な話しなのかな?
そんな事を考えつつ、オレはまた午後からの仕事を再開した。

