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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第135章 頭が上がらない人物

食うのがやっとの生活より、ちゃんとした住む場所でしっかり真面目にやってりゃそのうちアイツだって店長になれるかも知れない。
「それと、お墓の事なんだが。
お墓を建てる費用はこっちが出す。そして君が復帰したときに私に毎月いくらか払うというのはどうだろうか?」
…そうだよな、まさかナツの部屋にまで母親の遺骨を持っていくワケにはいかない。
「何から何までホントにありがとうございます。では沢渡さんの申し出に甘えさせていただきます」
何度も頭を下げた。
オレはこの人にはどう足掻いても頭が上がらない。
父親みたいな存在だ。
「それと」
沢渡さんがスーツの内ポケットから封筒を出した。
「300万入っている。これは君にあげるんじゃなく、貸す金だ。それなら受け取って貰えるかな?」
受け取っていいのだろうか?
確かに今、金に困っている。
でもさすがにこの金額は…
「鴨志田さんの妹さんの所に厄介になるのだろう?一文無しでは格好がつかないだろうからな」
この人はあくまでダンディーな人だ。
出来ればオレもこんな大人になりたい。
「…ではありがたく受けとります。沢渡さん、いつもいつもご迷惑をおかけして申し訳ありません」
になることになるのだが…

