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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第27章 独り立ち
あの日以来、鴨志田は行方をくらました。

学校にも来ておらず、無断欠勤を続けているようだ。
学校側としては、これ以上鴨志田の事を庇う事は出来ず、懲戒免職という形で教師の資格を失った。

オレは学校に通っているものの、いまだにクラスに馴染めず、孤立していた。

孤立することには慣れていた。
幼い頃からいつも1人だったオレにはむしろこの方が都合が良かった。

セックスの虜になっていたオレは何のために高校に行ってるのか解らなくなってきた。

そしてまた生活が厳しくなり、バイトだけでは食っていけないオレは母親の下を訪ねた。

「あのマンションを誰かに売ってしまおうかと思うんだけど、名義が誰なのかわからないし、その事で相談にきたんだけど、売っ払っていいのかどうか」

オレはもうあのマンションは必要ないと判断したからだ。
あれは父親が所有しているマンションだが、父親がもうこの世にいない今、誰が所有しているのか全く知らない。
多分、兄の所有になっているのだと思うのだが、父親の葬儀の際に、あのマンションは残してやるから後の財産はオレがもらうと言ったきり会ってない。

まだ15のオレはそんな事もよくわからないので、とりあえず母親に聞いてみようと思い、ここへ来た。

「亮輔、あのマンション売ってあなたはどうするつもり?」

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