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ファニーキンキー
第12章 それは野外


屋外に設置されたテーブル席は、ちょうど昼時で家族連れやカップル達でぎっしっりと埋まっている。
そんな人混みの中から恵衣子たちを探すために、グルっと視線を這わすと、いとも簡単に見つけられた。ジャンボ伊井の頭が人ごみの中で飛びぬけていたから。

サンドイッチ食べたことを先にメールで送っておいたから、二人はフードコートの焼きそばを食べていた。
ハンカチで伊井の口元を拭ったりして…
姉御肌で男勝りな恵衣子の女の子らしい一面が見てとれる。

観覧車で告白するって言ってたけど、どうなったんだろ…仲良くしゃべってる姿はすっかり恋人同志だよ。
恵衣子の幸せそうな笑顔にあたしは嬉しくなった。



「やっぽー。恵衣子、全制覇したの?」

4人掛けテーブルの向かいの席に着きながら、伊井が告白したのかどうか探りを入れた。

「おかえり~。まだ全然…観覧車連続5周しただけ…」

あれ?なんか恵衣子さん不満げ。って、5周もして何やってんだか…まさか、まだ?

「あは…あはは…」

伊井が乾いた笑い声を出している。

「「ってことは?」」

翔太郎と声を揃えてつっこむと、顔を赤らめた恵衣子が小さな声で…

「伊井がずーっともじもじしてるから、5週目に私から告った…」

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