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こんな日は抱いて欲しい
第20章 こんな日は………

 「もしもしリュウ」

 「あっ、真由子」

 「今、大丈夫?」

 「うん。
今丁度、早穂ちゃんも帰って、原稿も出来上がったとこ」

 「そっか。読みたいな……」

 「早穂ちゃんがさ……今日はテーブルの上に押し倒されてプレイしたい……なんて言ってたな……」

 「もう………恥ずかしいよ」

 「恥ずかしくないよ。
原稿は僕が真由子に描くラブレターだから」

 「ラブレター……」

 「漫画家の特権を活かした、オリジナルラブレター」

 「ねぇ、リュウ、窓の外見てみて」

 「えっ?」

 「夕陽が綺麗」

 「あっ、あ、あー!!オレンジ色だね」

 「今日は凄くいい日だよ」

 「そっか。
マブダチと楽しい時間を過ごしたんだね」

 「うん。めちゃ楽しかった。
そしたら、リュウの声聞きたくなった」

 「それは奇遇だね。
僕も原稿を描きながら、真由子の事ばっかり考えていたよ。
会いたくなるよ」

 「偶然だね。
私も会いたくなった」

 「夕陽、真由子と一緒に眺めたいね」

 「その願い、今すぐ叶うよ。
ドア、開けて」

 「真由子……」

 



 こんな日は……
あなたに会いたい。

 こんな日は、あなたの傍に居たい。

 こんな日は抱いて欲しい。




 END
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