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Best name
第5章 呪縛から…解き放て
オレは子どもでもあやすように
膝の上のアイルの頭をポンポンとなで続けた
『バカだなぁ…アイルは』
『…ぇ…』
『過去の苦しい事を忘れろ…
なんて思わないけどさ…
今しっかり生きてる自分をもっと認めろよ
知れよ?まわりの…アイルを愛してる人達をさ』
『……~』
『ホラ?自分で思うよりいっぱいいたろ?
そういうもんだよ。振り返ってみると』
『…それでも…私のしたことは消えないよ
それに私、汚れてるのは手だけじゃ・・・』
『アイル…』
『こんなこと…リョウキに言うの
すごく恥ずかしい・・・だけど、私…』
胸がギュウっと締め付けられる
切なくなった
聞かなくたっていい
言わなくたっていい
『アイル…いいんだよ、もう』
『私……17歳の時に
男の人達に……イタズラされたことがあるの
私…ね、だから…私きっと、もう誰とも…』
『…っ…もう…言わなくっていいんだよ…っ』
たまらずにアイルを自分の胸に
ぎゅっと抱きしめて遮った
小さく震えながらアイルが
オレの胸で静かに泣いていた
オレの胸を押し返してアイルが話続ける
『ふふ…手錠付けられるのって痛いんだよ?
知ってる?ズシっと重くて冷たくて
…あ、フツー知らないよね…アハハ
冷たい壁の部屋で…名前をなくすの
物みたいに番号で呼ばれるんだ
でもね…その時のあたしは…変にそれが
心地イイって言うか…楽に感じちゃったりして…
自分が誰かわかんない方が
良かったんだきっと』
少し笑いながら…今までにないほど
よく話すアイルは、子どもみたいで
そしてその話の…心の傷の深さに
オレの目頭が熱くなる
オレは黙ってアイルの背中を撫で続けた
アイルの姿をみてオレは…
4年前のことを本気で覆して
裁き直したいと思わずにいられなかった
アイルの名誉を取り戻したい
例えアイルを泣かせても
『…ごめん。こんな話
話して楽になるの私だけなのに
だけど、こわかった』
『こわかった…?』
『リョウキの優しさに甘えて
色んな事を隠してるのがこわかった
幸せを感じていく毎日がこわかったの
かくして…黙って
偽ってリョウキと親しくなるのも…
本当のこと話して
リョウキがいなくなることも…』
膝の上のアイルの頭をポンポンとなで続けた
『バカだなぁ…アイルは』
『…ぇ…』
『過去の苦しい事を忘れろ…
なんて思わないけどさ…
今しっかり生きてる自分をもっと認めろよ
知れよ?まわりの…アイルを愛してる人達をさ』
『……~』
『ホラ?自分で思うよりいっぱいいたろ?
そういうもんだよ。振り返ってみると』
『…それでも…私のしたことは消えないよ
それに私、汚れてるのは手だけじゃ・・・』
『アイル…』
『こんなこと…リョウキに言うの
すごく恥ずかしい・・・だけど、私…』
胸がギュウっと締め付けられる
切なくなった
聞かなくたっていい
言わなくたっていい
『アイル…いいんだよ、もう』
『私……17歳の時に
男の人達に……イタズラされたことがあるの
私…ね、だから…私きっと、もう誰とも…』
『…っ…もう…言わなくっていいんだよ…っ』
たまらずにアイルを自分の胸に
ぎゅっと抱きしめて遮った
小さく震えながらアイルが
オレの胸で静かに泣いていた
オレの胸を押し返してアイルが話続ける
『ふふ…手錠付けられるのって痛いんだよ?
知ってる?ズシっと重くて冷たくて
…あ、フツー知らないよね…アハハ
冷たい壁の部屋で…名前をなくすの
物みたいに番号で呼ばれるんだ
でもね…その時のあたしは…変にそれが
心地イイって言うか…楽に感じちゃったりして…
自分が誰かわかんない方が
良かったんだきっと』
少し笑いながら…今までにないほど
よく話すアイルは、子どもみたいで
そしてその話の…心の傷の深さに
オレの目頭が熱くなる
オレは黙ってアイルの背中を撫で続けた
アイルの姿をみてオレは…
4年前のことを本気で覆して
裁き直したいと思わずにいられなかった
アイルの名誉を取り戻したい
例えアイルを泣かせても
『…ごめん。こんな話
話して楽になるの私だけなのに
だけど、こわかった』
『こわかった…?』
『リョウキの優しさに甘えて
色んな事を隠してるのがこわかった
幸せを感じていく毎日がこわかったの
かくして…黙って
偽ってリョウキと親しくなるのも…
本当のこと話して
リョウキがいなくなることも…』