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第5章 呪縛から…解き放て
アイルは一瞬ビクッとしたが


食い下がるようにソウタさんに言う




『…大丈夫です。なんでもありません』





『・・・~』


ソウタさんが眉間にシワを寄せてため息をつき


アイルの頭をガシッと掴んで

下を向かせた





ソウタさんが髪をかき分けると

アイルの頭部が一部

……円形に脱毛していた。







『……ぁ…』


『ぇ…?』




マナさんとオレがわずかに声をあげる



アイルは乱れた髪のまま黙って立っていた





『・・・』



『アイ…。俺が
何もわからないとでも思ったのか…?』






アイルの髪を適当に戻すと
ソウタさんが振り向いた





『マナ。アイは今日もう上がるから

後の事頼むぞ?このまま病院に行くから

何かあれば直ぐに電話くれ?』





『あ…うん、ハイ。…わかりました』





少しポカンとするマナさんとオレの前を通って

ソウタさんは

アイルの手を引いて自宅の方へ向かう





『ソウタさん…私っ・・・』




わずかに抗議するアイルを無視して
ソウタさんは強引にアイルを引っ張って行った







『・・・~~あちゃ~!!

あたしだけんなっちゃったよ

~ゴメン・・・!!!』





マナさんがくだけてオレに謝る



オレはマナさんに挨拶して店を出た









夕方、やはりソウタさんは連絡をくれた





アイルを連れて行ったのは

いつも通っていた心療内科で

カウンセリングと栄養剤の点滴を受けて帰宅




極度のストレスで
バランスがとりきれず脱毛し

ろくに食事が取れなくて
体も弱っていたとのことだ




落ち着くまで仕事を休ませるし
自分が様子も見に行くから安心してほしい
と言う内容だった
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