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月夜の時間
第1章 面倒くさい女になりたくない!
「趣味悪いな。人様の行為をガン見するなんて。」

振り向くと賢治が泳いで亜里沙のそばにいた。


深いのにここまで泳げるなんてスゴイ。

「なっ…そんなに見てない」

「まぁいいや、皆コテージへ移動するってさ。」

「あっ…ごめん」

もしかして心配してくれたのかな?

いや、心配される理由ないし。


「泳ぐの疲れたから浮き輪につかまらせて」

「亜里沙、鼻水出てんぞ。」

「えっ」

両手で焦って隠す。

「冗談。」

「ちょっとー!」

この言葉で少しほぐれた気がする。


賢治君ってキツメな目してるから怖いんだよね…

笑ったら八重歯でるんだ…

でも横顔もかっこいいかも…



「ジロジロ見んなよ」

「あっ…ごめんなさい…」

そう言って私達は浜辺へ戻った。
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