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第11章 夢

「………うーん」

何で買っちゃったんだろう…。
目の前には柴犬のぬいぐるみ。

仕事帰りに寄った雑貨店で一目惚れしたもの。
可愛いからなんだけど、何か…山岡さんに似てるからなんだよね！
笑った顔がぬいぐるみとそっくりで。

不意にこの前の言葉が頭をよぎる

『『彼女が出来た』って喜んでた…』

「彼女」か…。
山岡さんに彼女が居る…きっと素敵な人なんだろうな…。
それを考える度に謎のモヤモヤが胸に広がる。

嫌な考えを振り払うように頭をブンブン振った。
山岡さんに彼女が居ても私は友達だもん、関係ないよ。
いつか彼女さんのこと言ってくれるに決まってるよ。

それでもモヤモヤはなかなか晴れなかった。