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藤の舞 Ⅱ 妊婦調教
第3章 拡張調教

モノを抜き差ししながら、何事もないかのように年長者に話し掛けるお客様。
私は音を立てないように意識していた。
「そうか、仕方ない、他のポケットに落としてしまおうか。」
年長者が答えてショットが放たれる。
白球は全ての球を弾いて入り口に填まる球に当たる。
弾かれた球が次々にポケットに吸い込まれていった。
「次は僕がブレイクショットをしてもいいですか?」
次の番のお客様が言う。
年長者は、定位置とばかりに私の頭にやってきたが、
別のモノを含んでいるのをみて、やれやれと首をかしげて立ち位置を変える。
今のお客様と目配せして何かを決めているようだった。
頬張っているモノのせいで幾分視界が遮られていたが、一番若いお客様が球を並べていた。
私は口内に繰り出されるショットを迎えながら、ぼぉっとしてそれを眺めていた。
「い〜ヒッヒ、いくつ球が入るんだろうね。」
手の空いたお客様がキューをチョークで擦りながら言う。
でも最初のような恐怖はなく、このビリヤードに填まってしまったのは私なのだと理解した。

