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第12章 この美しい月影を、あなたと

　そう、今夜の〝月影打令〟の初演は大盛況だった。これからソンジュは一座の花形役者となるに違いない。彼ほどの役者なら、看板と呼ばれるにふさわしい活躍をするだろう。



　もう、自分にコンプレックスを持って縮こまっていた昔の彼ではなかった。彼自身が自分の力で過去を乗り切ったのだ。





　ゆっくりと並んで歩きながら、ファソンの唇からはごく自然に言葉が出てきた。