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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第12章 この美しい月影を、あなたと
「義父上には恰好の良いことを申したが、今から振り返ってみても、それがすべてであったかどうかは判らぬ。確かに、中殿という立場にあるそなたが旅役者と密会しているというのは、そなたにとっても義父上にとっても生命取りになりかねないことだと咄嗟に思ったのは事実だ。何とか早急に手を打たねばと逸ったのも事実。さりながら、その心の奥底にソンジュへの妬心がなかったとは言えまい。私を差し置いて、他(あだ)し男とそなたが親密な時間を愉しんでいると考えただけで、相手の男を殺してやりたかった」