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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第13章 第三話 【蓮花恋歌(れんかこいうた)】
―私には、そなただけだ。
 あの夜、私を狂おしく抱き、耳元で囁いたあなたの言葉はすべて嘘だったの?

 ある日突然、知った夫、国王賢宗が側室を持つという話。
 その話にファソンは大ショックを受ける。


 
 大好きなあなたの側にいたいから、中殿という分不相応な地位にもついたけれど、
 私はもう、後宮にはいられないわ。
 哀しみに打ちひしがれたファソンは、どうする!?

更に17歳の王妃は「後宮改革」に着手する。
 後に「王妃の中の王妃」と歴代王妃の中で特にその徳の高さを讃えられた仁貞王后の
 片鱗がこの頃から見られ始めるのだが―。
************************************************作品より抜粋

「私が他の女を抱いても、そなたは良いと申すのだな」
 「歴代の中殿の中には、子を持たなかった方もたくさんいらっしゃいました。それでも、子がないという理由だけで廃位された中殿は過去にはいません。つまりは」
 
「たとえ世子の母とはなれずとも、歴代の王さまは皆様、妻である王妃さまに対して幾ばくかの情を抱いておいでであったのでしょう。たとえそれが愛情ではなく憐憫であったとしても。さりながら、殿下は側室が子を産めば、その者を新たな中殿に立て、無用の私は要らないとおっしゃる。なれば、私に何をお望みになるというのか。私はただ殿下の御意を従容として受け入れ、後宮を去るのみです」
 





 
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「殿下、私が中殿でいる中は、後宮から一人の罪人も出したくないのです。綺麗事と言われればそれまでかもしれませんが、私は中殿という権力や地位で内命婦を治めたくはないのです。後宮で生きる女たち一人一人にそれぞれの事情があるでしょう。できるだけ皆の心に寄り添い、後宮を皆が住みやすく気持ちよく暮らせるような場所にしてゆきたい。そのように考えております」

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