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第14章 烈しさと切なさと、愛しさと

「国王殿下に叛意を抱く者が居るとでも？」

　真っ先に王の身を案じたファソンに、チェジンは泣き声になった。この気丈な乳姉妹が泣くだなんて珍しい。

「どうしたの！　チェジンが泣くだなんて、何があったというの」

　チェジンは泣きながらファソンを見つめた。


「殿下は酷(ひど)うございます。中殿さま以外のお方を後宮にお迎えになるという噂が王宮中の至る所で囁かれているのです」