この作品は18歳未満閲覧禁止です
国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第14章 烈しさと切なさと、愛しさと
当初、領議政の顔色を窺い、側室反対派が多いのではと予測されたにも拘わらず、意外に側室派が多かったのはやはり、王妃への王の寵愛がここのところ明らかに薄れている―そのことが原因に相違なかった。
後宮に生きる女は、〝承恩〟、つまり王の寵愛を受けてこそ力を持つことができる。たとえ王妃といえども、ひとたび寵愛を失えば、その立場はわずかなりとも身を守ってくれる楯にはなろうが、哀れで惨めなことに違いはなかった。