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第14章 烈しさと切なさと、愛しさと

―お好きになさって下さいませ。


　我ながら、ゾッとするほど冷めた声だと思った。大好きな男にこんな声を出す日が来るとは想像だにしなかった。


　あの瞬間、彼とは永遠に終わったのだと思った。カンに告げた言葉は嘘ではない。




　自分は元々、王妃になりたいと願ったことはなかった。ただ、あの男の側にいたいからこそ、中殿という至高の地位にも昇ったのだ。