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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第15章 恋敵
恋敵
日は流れるように過ぎた。このような時、刻は残酷だと思う。何一つ解決するすべを持たないまま、時間だけが広げた手のひらの隙間から零れ落ちるように呆気なく過ぎ去ってゆく。
七月の初め、庭園の蓮が咲いた。今年最初の花だった。ファソンは王の夜のお召しも頑なに拒み通し続けている。気まずい別れ方ををしてからでさえ、カンは何度か夜伽をファソンに命じた。が、ファソンがその度に体調を理由に辞退するものだから、流石に怒ったのか、数度めの誘いがあった後はふっつりと絶えた。
日は流れるように過ぎた。このような時、刻は残酷だと思う。何一つ解決するすべを持たないまま、時間だけが広げた手のひらの隙間から零れ落ちるように呆気なく過ぎ去ってゆく。
七月の初め、庭園の蓮が咲いた。今年最初の花だった。ファソンは王の夜のお召しも頑なに拒み通し続けている。気まずい別れ方ををしてからでさえ、カンは何度か夜伽をファソンに命じた。が、ファソンがその度に体調を理由に辞退するものだから、流石に怒ったのか、数度めの誘いがあった後はふっつりと絶えた。