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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第15章 恋敵
「はて、この父に訊ねたきこととは何でしょうか」
ミョンソが首を傾げる。この辺り、本当に見当が付かないと思っているように見えるが、実はそうではないとファソンは知っている。陳ミョンソという男はそういう人間だ。生真面目な上辺だけの顔の下に、その素顔が隠されている。
むろん、父が国を心から思う忠臣であることに間違いはないが、幾たびもの政変をくぐり抜けてきた為政者としては己れの本音を他人に見せないのはむしろ当然のことだろう。