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第15章 恋敵

「判って頂ければ良いのです。それよりも中殿さま、庭園の蓮がそろそろ見頃のようですよ。ここのところ、ずっと室内に閉じ籠もりきりでいらっしゃいましたし、お出かけになってはいかかでしょう」


　明るい声で言うチェジンの気遣いをファソンは心からありがたく思った。


　幾ら気丈にふるまおうと良人たる王が新しい女を召し出して、ファソンが嬉しいはずがない。乳姉妹はファソンの沈みがちな心を思いやってくれているのだ。