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第15章 恋敵

「確かに花は咲いてはおりませんが、月明かりに照らされた蓮というのもまた格別なのではないでしょうか？」

「それもそうね。話を聞いている中に、私も夜の蓮を見たくなったわ。今夜辺り、行ってみましょうか」


　話はすぐに決まり、その夜、ファソンは中宮殿の筆頭尚宮、チェジンを初め十数人の女官を連れて蓮池に出かけた。お伴の女官は予め希望者を募った。


「夜の蓮見に行きたい者は皆、連れていきましょう」



　ファソンが言うと、チェジンは笑った。