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第15章 恋敵

　ファソンはといえば、そこで引き返し中宮殿に戻った。

　居室に戻って少し落ち着いてから、チェジンが茶を運んでくる。


「中殿さま、もう少し下々の者に威厳をお示し下さい」


　チェジンはかなり不満そうだ。暗にファソンが寛大すぎるから、余計に側室付きの尚宮にまで舐められるのだと言いたいのだろう。



「チェジンの言いたいことは判る。でもね」