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第15章 恋敵

　ファソンの衝撃は計り知れなかった。たった今、彼は何と呼んだ？　私を〝中殿〟とよそよそしく呼んだのに、崔昭容は〝凜蓮〟と親しく呼んだ。


　つまりは、そういうことなのだ！　カンにとっては私はただの連れ合いというだけで、彼が心を傾ける相手は崔昭容なのだ。


　涙が不覚にも滲んだ。



「すべては私の責任です。私は中殿ですゆえ、内命婦の間で起こった諍いはすべて私が至らなかったからだと存じます」