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第15章 恋敵

「崔家に古くから仕えてきた執事の親族に連なる者です。幼時にふた親を流行病(はやりやまい)で亡くしたとかで、執事に引き取られて育ちました。私の兄や弟とよく庭で木刀で遊んでいたところを父が見て、剣術の師匠をつけたのです」



　その師匠というのが捕盗庁(ポトチヨン)の武官を務めたこともある凄腕の男だったという。




「そうか。兄弟がサスと幼なじみだというなら、そなたも似たようなものだったということか？」