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第16章 嫁と姑

　　　嫁と姑

　日は飛ぶように過ぎ、暦は八月に入った。八月に入って数日もすれば、気の早い秋の虫がすだくようになる。日中はまだうだるような炎暑だが、夜に鳴く虫の声は確実にうつろう季節を感じさせた。



　その朝、ファソンはチェジンを連れて蓮池にいた。池に張り出すように作られた四阿に佇み、水面を埋め尽くす一面の蓮花を眺める。今、蓮はまさに満開で、大ぶりのピンクの花が広大な池を一様に彩る景観は、まさに圧巻といえた。さながら、熟練の職人が精魂込めて織り上げた美しい布のようだ。