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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第16章 嫁と姑
どうも、中殿の話を持ち出して、気難しい大妃を不機嫌にしてしまったようである。流石の馬尚宮もそれきり口をつぐんだ。
心ではしっかりと大妃に言い返していたのだが。
―大妃さま、そのようなことを仰せになっても、中殿さまを大妃さまがお気に召していらっしゃらないことは後宮中どころか王宮中の者たちが信じておりますよ。
もちろん、それを大妃に口に出して言うほどの勇気は馬尚宮にはなかった。いや、それを言うほど愚かではなかったと言うべきか。