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第16章 嫁と姑

「何も泣くほどのことはなかろう」

　しゃくり上げるファソンに、大妃が呆れたような眼を向ける。

「また主上がこんなところを見たら、私は何を嫁いびりしておるのかとあらぬ誤解をされ、大妃殿に閉じ込められるぞ」

　苦笑いを刻み。大妃はなおも続けた。


「私はそなたを嫌いではない。先刻も申したように、昔の私を見ているようだ。負けず嫌いで、跳ねっ返りのところまでな」