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第16章 嫁と姑

　ファソンは淡く微笑った。

「私のことなら、気にしなくて良いのよ」


　弾かれたように、崔昭容が面を上げる。急にファソンの口調が変わったことに愕いているようだ。その儚げな愁いを秘めた面差しに、明らかな当惑が浮かんでいた。




「中殿になって一年も経つのに、いまだに仰仰しい物言いには慣れなくて。これが私の地だから」