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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第16章 嫁と姑
王の愉しげな笑い声が弾け、緑の蓮の葉もつられて笑うかのように風に揺れた。秋を感じさせる風がどこかでさわさわと梢を揺らし、わずかに咲き残った花が身を震わせる。
花たちが奏でるかそけき音色は、自らの終わりを悟った者が静かな覚悟と諦めを抱いて歌う哀しい歌のようにも聞こえた。
そういえば、大妃とここで蓮を眺めて話した時、蓮は盛りは過ぎていたものの、まだ見頃のものが多く残っていた。あの時、大妃は何と言っていたのだったか。