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第18章 哀しい恋の歌

　　哀しい恋の歌

　やわらかな秋の風が嬰児(みどりご)の頬にそっと触れるかのように吹き渡る。その風は明らかに夏のものとは違う。華仙(ファソン)は面を上げ、澄み渡る空を仰いだ。涯(はて)のない湖のような空がどこまでも続いている




　日中はまだ残暑厳しいこの時季だが、季節は確実にうつろっている。朝夕に吹く風は随分と涼しくなり、早い秋の訪れを膚で感じられる。